体重計

Analysis

データ分析のシナリオは類比法で考える!一旦、体重測ってみるべか!?

何いってんの!?って思いますよね。難しいことは置いといて気分転換に体重と向き合ってください。ということではありません。しっかりとした手法に基づいた「思考が進まないときは、別の題材で考えてみる」という話です。専門的な表現をすると類比法でデータ分析の視点を創出するということです。(類比法などアイディア創出のフレームワークについてはまた別の機会に紹介します。)

 

データ分析って難しいですよね。苦手な人は多いと思います。データ分析ができる人って、どうしてあんなに分析のシナリオ(視点)がいくつも沸いてくるんだろう。と思っていませんか?これも実はコツがあるのです。訓練すら不要で、やり方を知ってしまえばいいだけなのです。

 

苦手なものを、好きになる必要もありません。嫌いなものは嫌い、苦手なものは苦手でよいです。その苦手なものは、違う方法で補えばいいのです。

 

私も「英語」と「梅干」が大の苦手です。英語が苦手なら自動翻訳機を使えばよいし、梅干しが苦手なら梅干し以外の食材で栄養を摂ればよいだけ。データ分析のシナリオを考えるのが苦手なら、別の題材でシナリオを考えて、そのシナリオをデータ分析に置き換えることで思考が進むでしょう。

 

おかしなタイトルは、「体重計に乗って体重を測る」ことを別の題材として扱ってみようという意味でした。みなさん、最近に体重計に乗ったのはいつでしょう。最後に測った時の体重、覚えていますか?

 

1.体重計に乗ってみる

体重測定足元

 

(いま体重計に乗れる方は、是非一度測定してきてください。通勤・通学・勤務中の方は残念ですが、そのままどうぞ↓↓↓)

 



いやー、体重計乗るの久しぶりだな。何キロくらいになってるかな・・・

 

う。思ってたほどは太ってなかった。もっと体重増えてたかと思ったけど。ま、でも、増えてるね。

 

そういえば、去年の健康診断の時、何キロだったかなぁ。去年より♤kgくらい増えているか。

 

健康診断の後は気を付けていたけど、今年の夏から増えた感じはあったな。

 

ま、そうはいっても同期の♢♢さんほどは太ってないから、大丈夫かな。

 

下を見ずに、◎◎さんみたいなスリムになりたいな。あと□kg痩せればなれるかな。

 

これから年末年始、また太っちゃいそう。いまのうちにちょっと絞っておきたいな。

 

- - -(もうちょっと続きます。お付き合いください。)- - -

 

太ったのはやむなしとして、食生活変わってたっけな?食べる量は変わってないはずだけど。

 

外食が増えたし、最近はもっぱらマクド○ルドのグランベーコン○ーズのセットだから、カロリー高かったか。
セットに付けてた別注文のチ○ンナ○ットのカロリーが多いのかな。

 

食事も気を付けないとだな。アラフォーだし、新陳代謝も低下してるわな。

 

コツコツやるのは苦手だから、短期集中で一旦筋トレすっか。筋肉つけば基礎代謝が上がって効果が大きいかな。

 



 

一旦この辺で。それでは次のセクションで解説していこうと思います。

 

(ちなみに疑似体験として読んでもらった内容は、98%私の実話です。※2%は、グランベーコン○ーズ以外にもたまにフィレ○フィッシュを食べること)

2.データ分析に置き換える

苦手なものに真っ向勝負しても、頭が拒否反応をしていると新しいアイディアは浮かんできません。苦手意識をとっぱらおうと思うこと自体、苦手意識が強く働いてしまっていますので、そのことを気にしなくていいように別の題材を用いて考えてみましょう。

実はこの手法は、新しいアイディアを考える時にも使われる「類比法」というジャンルの考え方です。別の業界や、場合によっては自然界での成功事例を参考に、いま考えたいテーマに当てはめてどのようにやれるかを考えるという思考法です。

 

それでは、ここからは、体重測定で向き合った内容を、データ分析に置き換えていきましょう。

 

 

いやー、体重計乗るの久しぶりだな。何キロくらいになってるか・・・。
う。思ってたほどは太ってなかった。

これは数字を読む前に予測するということです。予測することで、自分のマーケット感覚を磨くことができるのです。

提案された内容をそのまま記憶しようとすると、知識を暗記する必要がありますが、予測を立てた上で内容を聞くと、"思ったより多い(少ない)"など、感情と伴に記憶することができます。知識の暗記ではなく、感情として残るために強く記憶できます。

 

たとえば、こんな提案をされるとします。


今、インドは人口が増加中で次のマーケットとして注目されています!

(ここでインドの人口がどのくらいかを予測します。)

実は、インドの人口は2016年時点では13億と日本の約10倍で、数年後には中国の人口を超えると言われています。


 

予測の立て方は、何かと比べる、全体のうちの割合を考えるなどいくつかありますが、方法は問いません。予測をすることで、"理解"して知るから、”感動”して記憶に留めるになります。予測を立ててから内容を理解することで、"そんなに多いんだ。中国を抜くとは。確かにこれからのマーケットだな"と感じることもあったのではないでしょうか。

 

少し脱線しますが、マーケット感覚を磨くことは、効率的に思考をめぐらせられることにつながります。マーケット感覚があれば、統計データを調べずに思考できたり、判断したりすることができます。マーケット感覚は人口の他にも、失業率、世帯構成、為替、日経平均、スマホ保有率などなどなどなど、さまざまなデータがあります。

 

さらには、マーケット感覚があることで提案に使われているデータ分析が正しかどうかを見抜くこともできます。悪意がなくても、データ分析が誤っている可能性は十分にあります。その誤っているデータ分析をもとに判断をしてしまうと、計画が失敗する可能性も高くなります。データ分析を主な業務としていなくても、マーケット感覚を磨くことはビジネスの世界ではともて価値があるのです。(話を戻します・・・)

 

 

もっと体重増えてたかと思ったけど。ま、でも、増えてるね。

一番基本的なデータ分析は、増減を知ることです。「データ分析してくれ」とか、「このデータから何が読み取れるか」など言われると、"AとBには相関関係があって"とか、"統計的にCには優位性があって"など、難しいことを言わないと・・・と思っていませんか?

最近のビックデータの世界では確かに高度な知識や読み取りが必要な場合もありますが、日常のビジネスシーンで必要とされるデータ分析で必要なのは、数学ではなく算数なのです。身近にいるデータ分析が得意と言われる人を想像してみてください。数学で習う難しい三角関数、微分積分、行列式、円周率を使っていますか?使っているのは四則演算(加減乗除)くらいのはずです。(感覚的ですが8割程度はカバーできると思います。)

 

私は大学院で数学専攻でしたので、日常使わない数学知識も好きで記憶に残っていますが、データサイエンティストとしての高度分析を行う中でもはほとんど使っていません。そのビックデータ分析手法のアルゴリズムを理解する上では数学を使いますが。専用のBIツールがあり、分析結果として表示されるデータを四則演算で表現を変えたり、見やすくグラフで示したりする程度で足りてしまいます。(また脱線してしまいましたので、話を戻しましょう。)

 

データ分析の基本は、増減を知ることです。高度な統計分析をと思う必要はないのです。体重測定で例えると「増えた(多い)」、「減った(少ない)」という事実を読み取るだけでも、十分なデータ分析なのです。そこで次に考えたいのは「増えた」、「減った」が何と比較しているかということです。そのポイントを理解するのが、次の文節になります。

 

そういえば、去年の健康診断の時、何キロだったかなぁ。去年より♤kgくらい増えているか。

ここからは比較分析のいくつかの例になります。これは比較分析の一つ前年比較です。体重計の例では、前年の健康診断ということで同時期ではなかったのですが、できれば時期は揃えた方がよいでしょう。ビールの売り上げの前年比較をするときに、夏と冬で比較しても価値ある分析にならなさそうなことは容易に推測できますよね。

比較

データは並べて比較しないと価値は半減します。いや、半分どころではないかもしれません。"データ分析=比較する、何と比較するか"という発送が根付いてくれば、苦手意識は取っ払っていいでしょう。

 

・・・、今年の夏から増えた感じはあったな。

これは比較分析のひとつ経過分析です。日別、月別、年別など時間の経過がわかるようにして比較することで、変化の推移を分析することができます。この年単位での比較分析が、前述の前年比較という考え方になりますね。

 

 

ま、そうはいっても同期の♢♢さんほどは太ってないから、大丈夫かな。

これは同類比較です。同類のことをセグメントともいいます。同じセグメントの中で比較することで、セグメント内での位置づけを把握することで、増減や高低を把握できます。

セグメント分析という分析手法もありますがそれとは異なります。セグメント分析は、ある集合の中を同じような属性に仕分ける(セグメントする)ことを意味します。

 

下を見ずに、△△さんみたいなスリムになりたいな。あと□kg痩せればなれるかな。

これは、目標に対する比較で、達成率や進捗率などの考え方があります。達成率と進捗率は同じようなシーンで利用されることがありますが、達成率と進捗率が持つ意味は全く異なるのです。

 

達成率は、達成目標に対する現状の割合を意味します。例えば、達成目標が-10kgとします。実績が-3kgとすると、達成率=-3kg÷-10kg=30%となります。

 

一方で進捗率は、進捗に対する割合ですので、進捗目標が分母となります。達成目標を-10kgとし、進捗目標を毎月-1kgとします。現状取り組み開始から3か月で-3kgとすると、進捗率=-3kg÷3か月目進捗目標-3kg=100%となります。

<達成率と進捗率>進捗率達成率-細字

 

これから年末年始、また太っちゃいそう。

現状をもとに、将来予測を立てることも重要な分析の一つです。将来を予測することは、過去を深く見つめるきっかけとなります。過去実績から推測することで、過去に何が起きてたかを深く考えるようになるのです。

ここで理解しておきたいのは、科学とビジネスでのデータ分析の目的の違いです。科学におけるデータ分析は、過去の事実(実験結果)を理解するためであることが主ですが、ビジネスにおけるデータ分析は将来のための現状把握が主です。将来の予測を立て、その予測の確率を高めるために現状分析するというのはビジネスでのデータ分析の基本です。

 

リスクマネジメントにおける将来予測を立てる分析手法の一つに「死亡前死因分析」というものがありますので、紹介しておきます。名前を聞くと、"えっ"と思うかもしれませんが、懐疑的な組織の場合は特に効果を発揮すると、論文にまとめられています。
後悔先に立たせる!?「死亡前死因分析」というリスクマネジメント

 

 

食生活変わってたっけな?食べる量は変わってないはずだけど。
外食が増えたし、最近はもっぱらマクド○ルドのグランベーコン○ーズのセットだから、カロリー高いか。

これまで紹介した視点は、現状把握のためのデータ分析の視点でした。現状を把握した次は原因分析を考えはじめます。この視点は外部環境分析です。

増えた(減った)理由が、外部環境によるものかどうか考えます。この例では食事の量と、カロリーの大きさ、すなわち量と質(率)の視点で考えています。食べる量は変わっていなくても、そのカロリー(質や率)が高くなると体重は増えることになります。

データ分析においても、ビジネスシーンで使われる「量」と「質」という視点は有効に機能します。

 

食事も気を付けないとだけど、アラフォーだし新陳代謝も低下しているわな

続いての視点は内部環境分析です。外部環境を考えた後は内部環境を考えます。外部と同じように内部でも「量」と「質」という視点は有効に機能します。

 

コツコツやるの苦手だから、短期集中で一旦筋トレすっか。筋力つけば基礎代謝が上がって効果が大きいかな。

最後の視点は経営資源分析です。現状分析→原因分析の後は、どの原因に資源を投下するかを判断することになります。

経営資源の投下方法を考える際は、継続性、効果、経験値、強み弱みなど、さまざまな要因をもとに分析し判断する必要があります。経営資源分析の手法の一つには「VRIO分析」、「SWOT分析」があります(別の機会に紹介しましょう)。

3.まとめ

  1. マーケット感覚を磨くために事前に予測する
  2. 増減の把握も歴としたデータ分析
  3. 比較をするから増減がわかる
  4. 日別、月別、年別などの経過分析
  5. 同じセグメントで比較する
  6. 目標に対する割合「達成率」・「進捗率」
  7. 達成率と進捗率は似て非なる指標
  8. 将来予測を立て、必要な現状分析範囲を定める
  9. 外部環境分析、内部環境分析で原因分析
  10. 原因分析は「量」と「質(率)」で考える
  11. 経営資源を投下する優先順位を考える

 

4.最後に

データ分析の視点について紹介しましたが、この視点を丸暗記する必要はありません。また、体重計に乗らなくても、別のテーマで考えてみてもよいです。日常生活でなくても、例えばアニメ、テレビゲームなどのジャンルで考えてもよいのです。

データ分析に苦手意識がある人は、自分の得意なジャンルで分析するシナリオ・視点を考えて、その視点でデータ分析のシナリオ・視点を考えてみればいいのです。得意なジャンルは、仕事でなくても今回紹介したような日常生活のシーンでも、趣味のスポーツでも、ある程度転用ができます。

苦手意識をもったままそれに取り組まずとも、別の題材での思考を転用することで、解決する手法があることを覚えておくとよいでしょう。

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