ふとした瞬間に、英語で表現されていることに違和感を覚えることがある。
私の好きな自己啓発本コーナーには、管理職向けの本が多く置いてある。その中で多く目にするもののひとつに、管理職になったら必要なマネージメントスキルというようなタイトルのものがある。日本では管理職とマネージャーは同一概念として扱われることが一般的であるが、果たしてそうなのか?ちょっと考えてみた。
言うまでもないが、マネージャーはmanagerと書く。もう少しいうと、managerはmanegeする人である。
manageの意味を調べてみると「どうにかする」、「なんとかする」、「時間の都合をつける」などの意味がある。まずひとつ理解が進んだのはmanegeを直接的に表現できる日本語の単語は存在していないという点である。
直接的な単語が存在しない事例として真っ先に思い浮かんだのは「mottainai(勿体ない)」。日本人なら小学校に入る前くらいに教わる。私は「もったいないおばけ」という存在とともに記憶に残っている。直接的な言葉がないというものはその国の文化そのものであり、文化を理解してはじめてその言葉を理解することができるのだろう。
「どうにかする」、「なんとかする」をする人、つまり「どうにかしてくれる人」、「なんとかしてくれる人」がマネージャーという存在なのだろう。「どうにかしてくれる人」、う~ん♪実にいい響きだ。
「どうにかしてくれる人」が上司であれば、どんどん相談して仕事をすすめていきたい。逆に私が「なんとかする人」であれば、持っている資源を最大活用して最大の成果を上げることに専念するだろう。
manageという単語の構成を分解したように、管理職も分解すると、管理する職位という意味理解ができる。管理が業務の主である職位であり、なんとかする人という職位ではない。
ここでさらに管理する職位として、管理するものは何かを深堀してみる。特定の業務が定められていないとすれば、人財管理、進捗管理、労務管理、品質管理などさまざまな管理を求められる。管理業務を挙げてみると実に多く存在する。これらは組織上はとても重要な業務であるともいえる。
管理の一つに部下のモチベーション管理という要素もあるが、管理という上から目線はぬぐえない。「なんとかする人」は一体感があるのに対し、管理する職位の人は向こう側の人という感じが否めない。
モチベーションという表現を使っているが、ここではその議論は流しておきたい。日本語で表現するとすれば「やる気」「目的意識」あたりだろうか。
英語で表現されていた違和感は、管理する人がなんとかする人になるという、求められているものと求めるものの違いが違和感として感じられたという一旦の結論にたどり着くことができた。