おつかれさまです。ゆうぞうです。
この記事を書いている今日はプレミアムフライデー。みなさんはプレミアムフライデーはどのようにお過ごしですか?私の職場はプレミアムフライデーの声かけをしていることもあり、15時とまではいきませんでしたが、いつもより1時間ほど早い18時退勤ができ、家族で一緒に夕飯ができました。
一時は、百貨店や居酒屋など、プレミアムフライデーイベントを企画していた店舗もありますが、いまではあまりその影を見なくなりましたね。打ち出し当初に、経済効果を試算した研究所が解散したというようなニュースも…
生産性向上を考えるビズ技として、2017年2月のスタートから1年が経過しました今、プレミアムフライデーについて、生産性の観点で考えてみたいと思います。
1.プレミアムフライデーとは
ざっくりいうと"いつもよりもちょっと早く仕事を上がって、いつもり多く消費する月末金曜日"です。経済産業省のホームページを見てみると、プレミアムフライデーの実行方針が提示されています。
◇経済産業省HP-プレミアムフライデー実行方針
その中で、実行方針は次のように示されています。
個人が幸せや楽しさを感じられる体験(買物や家族との外食、観光等)や、そのための時間の創出を促すことで、
(1) 充実感・満足感を実感できる生活スタイルの変革への機会になる
(2) 地域等のコミュニティ機能強化や一体感の醸成につながる
(3)(単なる安売りではなく)デフレ的傾向を変えていくきっかけとなる
といった効果につなげていく取組です。
冒頭の繰り返しになりますが、要は、いつもよりちょっと多く消費してね。ということです。
2.運営主体は経済産業省
プレミアムフライデーは経済産業省のもとで進められています。
ちなみに、以前の記事で取り上げた「働き方改革」は厚生労働省のものと推進されています。厚生労働省の責務のひとつに"労働条件や労働者環境の整備"があります。つまり、厚労省は「働き方改革」の推進の登場人物である、企業(労働環境)と従業員(労働者)へ働きかけることが可能です。
◇残業管理をなぜ国が?「働き方改革」のキーワードは"一億総活躍社会"
一方で、経産省の責務は、経済と産業の発展です。プレミアムフライデーの登場人物は、企業(労働環境)、従業員(労働者)、サービス提供側の3者がいますが、経産省が働きかけできるのはそのうちの一つサービス提供側。言い換えると、"お店側は、月末金曜日に、プレミアムフライデーののぼりを掲げたりしてで盛り上げてね!"という実行計画なのです。
経産省のHPにあるプレミアムフライデーの実行計画のページには、このように記載されています。
(1)実施期間 金曜日を核とし、金曜日から日曜日の3日間とするなど、柔軟に設定
特に意識せずに、一人の消費者として読むと、3日間って?へ?となりましたが、これがサービス提供側へ向けられたものと理解してから読むと、主旨を理解できました。
この前提を理解できたところでイメージしたのは、「チョコをもらえる宛てがない男子が、2月14日にクラスの教室で"今日はバレンタインデーかぁ…"と一人で叫んで、チョコを待ってている姿」です。女子にチョコをもらいたい、ひいいては女子にモテたいのであれば、自分がカッコよくなったり、内面を磨いたり、気になる女子に優しくしたりすることが必要なことで、女子に来てくれていいよと声かけすることではないですよね。
3.プレミアムフライデーは生産性向上ではない
ビズ技のテーマの一つである「生産性向上」の視点で考えてみましょう。プレイアムフライデーで勤務時間が短いといっても、出勤のための準備にかかる時間、通勤時間はいつもと同じだけかかります。その時間を含めた生産効率を概念的に示してみます。
通常勤務
<前提>
・勤務時間を9時~18時の9時間(昼休憩1時間)
・通勤時間は片道1時間、往復2時間(東名阪の平均はこのくらいのようです)。
・勤務時間1時間あたりの生産量を100(労働で生産された価値を概念として)
・自宅での出勤準備1時間(朝30分、夜30分)
<準備・通勤時間を含めた1時間あたりの生産効率>
生産量 = 8時間 × 100 = 800
所要時間 = 9時間 + 2時間 + 1時間 = 12時間
生産効率 = 800 ÷ 11時間 = 66.6
プレミアムフライデー
<前提>
・勤務時間を9時~15時の6時間(昼休憩1時間)
・通勤時間は片道1時間、往復2時間。※通常と同じ
・勤務時間1時間あたりの生産量を100。※通常と同じ
・自宅での出勤準備1時間※通常と同じ
<準備・通勤時間を含めた1時間あたりの生産効率>
生産量 = 5時間 × 100 = 500
所要時間 = 6時間 + 2時間 + 1時間 = 9時間
生産効率 = 500 ÷ 9時間 = 55.5
勤務時間1時間あたりに生み出される生産量を100とした場合、通常8時間勤務の日66.6に対し、プレミアムフライデーの日は55.5。通常に対し、プレミアムフライデーが2割減という結果になりました。出勤に関連する必要時間は一定である中で、労働時間だけが短くなるため、生産効率が低下するということがわかりました。
4.最後に
プレミアムフライデーが失敗とはいっていません。結果が出ない状態で辞めてしまえば、それは失敗ですが、結果がでるまでやり続ければ、結果が出ていないことは失敗ではなく経験と言えます。
現状として浸透していない理由を考えることで、どうやったらよい方向に進んでいくかの改善策を見つける糸口になればと思い、考えてみました。プレミアムフライデーのネタを考えるのが面白くなてきたいので、次もこのネタを掘り下げてみたいと思います。