今回のビズ技は「需要と供給」についてまとめています。基本的な用語の理解から、Google検索数とブログの提供数を使ったWeb上の需要と供給についても分析してみました。
目次
1.一般的な需要と供給
「需給」(じゅきゅう)とは「需要」と「供給」のことを意味します。また「需要」とは市場に対しモノを求めることであり、「供給」は市場に対しモノを提供することを意味します。
専門的な小難しい話はウィキペディアや専門サイトを参照してもらうこととし、ここでは本題「デジタルコンテンツにおける需要と供給」につながるように簡単にまとめてみようと思います。
1-1.需要曲線
もう少し平易な表現をすると、「需要」は"消費者側の買いたいという意欲"ということもできます。
価格が高くなると欲しがる人は減少し、一方で、価格が低くなると欲しがる人は増加する。このように需要は、価格と数量の間に負(マイナス)の関係が成立しています。それをグラフで表したものを需要曲線といい以下のように表すことができます。
1-2.供給曲線
「需要」が"消費者側の買いたいという意欲"と表現されるのに対し、「供給」は”生産者側の売りたいという意欲”といえます。
価格が高くなると売りたい人は増加する。一方で、価格が低くなると売りたい人は減少する。このように需要は、価格と数量の間に正(プラス)の関係が成立しています。それをグラフで表したものを供給曲線といい以下のように表されます。
1-3.需要供給曲線
市場の競争原理は、需要と供給の関係で成り立っています。"買いたいという消費者"がいるところに、"売りたいという生産者"がモノを提供すると、そこで価値交換(モノの価値とお金という価値)が成立するということです。
つまり市場では、需要と供給が両方存在してはじめて、取引が成立します。需要曲線と供給曲線を重ねてみると次のようになります。
このとき、需要曲線と供給曲線が交差する点を「均衡点」といい、この均衡点の位置の価格が「市場価格」と言われています。
2."価格"がない需要と供給
「価格」が存在する受給関係は前述の通りですが、「価格」のない「価値」提供であるデジタルコンテンツには当てはまりません。そこで、価格がない需給を考えてみることにします。
ここでのデジタルコンテンツは、ブログやメルマガなどで提供されてる情報として話をすすめます。Web上で販売されている物品やサービスは、価格が存在しているので、前段に触れた受給曲線の概念に収まるので、対象外とします。
2-1.需要=供給
価格の概念が存在しないため数(量)の概念のみ、すなわち需要と供給の量の比較だけが市場原理となります。
まずは、需要=供給の場合をイメージしてみましょう。量を円の大きさで表した("ベン図"という)場合、以下のようなイメージになります。
需要=供給の場合、需要と供給どちらも過不足がない状態で、市場は均衡状態。このような状態は日々需要が変動する現実世界では発生しませんが、後段を理解しやすくするための基準となる均衡状態を触れておきました。
"ベン図"は、ベンさんという人が考えた、数学の集合論における表現方法です。単に、量を円で表したものですが、マーケットを理解するためのビジネスフレームワークとして十分に機能します。また別の機会で紹介したいと思います。(記事ができたら、こちらからリンクします。)
2-2.需要<供給
需要よりも供給が多く、供給過多となっているケースです。供給過多であるため、すでにモノは余っています。このマーケットにこれから参入したところでビジネスチャンスは少ないと考えられます。また、このような供給過多でモノが余っているマーケットを"レッドオーシャン"ということもあります。
"レッドオーシャン"はマーケティングでは有名な表現です。こちらも、また別の機会に触れたいと思います。(記事ができたら、こちらからリンクできるように更新します。)
2-3.需要>供給
続いて、供給よりも需要が多く、供給不足となっているケースです。供給不足、すなわち需要に応えきれてない状態。このようなマーケットは大きなビジネスチャンスであり、モノを提供すれば結果が伴いやすい状態で、先のレッドオーシャンに対してブルーオーシャンといわれることもあります。
3.デジタルコンテンツのブルーオーシャンを探す
それでは本題のデジタルコンテンツのWeb上のマーケットを探してみたいと思います。
3-1.調べ方
それでは実際にWeb上における需要と供給を客観的に目で見えるようにしてみたいと思います。
Web上での需要とは、Webに情報を求めにきた量、すなわちキーワード検索数で表せます。キーワード検索数は「Google」のキーワードプランナーで把握することができ、1か月あたりのキーワード検索数を把握することがでます。
また、Web上での供給は提供されている情報の量、つまキーワード検索でのヒットページ数といえます。ヒットページ数は、日ごろ私たちが使っている「Google」検索の結果表示画面に約●●件と表示され確認することができます。
3-2.調べてみた
それでは実際に何か調べてみましょう。隣で妻が見ているテレビ「テラスハウス」を例にやってみたいと思いますw(私はハワイのよりも、てっちゃんがいた青臭いときのが好きですね。)
この2つの数字を他のキーワードと比較できるように供給数を需要数で割った『供給倍率』という指標を導入します。需要に対してどのくらい供給されているかを表した指標といえます。供給倍率が1倍に近いと需要と供給の量が近いことを意味し、1倍より大きくなるほどに供給が余っていることを意味します。
供給倍率=供給数÷需要数 :需要数に対して何倍の供給量があるか
「テラスハウス」の場合で計算してみると、検索1件に対し16件の投稿(需要1に対し供給16)。
これだけでは多いのか少ないのかわからないですね。ということで。
3-3.もっと調べてみた
「テラスハウス」と同じテレビというカテゴリで…そうだ!最近うちの子がはまっている機関車「トーマス」でやってみよう!(視聴者層が違いすぎ!と、おこられそうですがご容赦ください。)
供給は約45,000,000件。(テラハよりかなり多い。)
182!?こんなに違うものか…いや、ちょっとまてよ。検索結果の画面を見てみると「・・・講師と完全1対1の個別指導?」。
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はて?
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TOMAS違いやないかー!キーワード選定が不十分でした。「トーマス」って人の名前で機関車以外もいるし。なんなら機関車以外のトーマスさんの方が多いだろうし。ということで気を取り直して「機関車トーマス」でやってみると…
イメージにしてみるとこんな感じでしょうか。
供給倍率を用いて比較することで、デジタルコンテンツ(キーワード)のビジネスチャンスがどのくらいか比較分析できます。
3-4.他にも調べてみた
私の好きなコンテンツの一つドラゴンボールの周辺を分析してみた。ドラゴンボールも、最近いろいろと流行っているようですね(もはやこのラインナップ、過去の人としてみられちゃってるんでしょうね。)。
この中では「幽遊白書」がチャンスですね。また意外だったのは「変態仮面」の供給。需要は1桁少ないのですが、供給量が2013年の実写版映画ネタであふれかえっていました。
3-5.こんなのも調べてみた
最新のナンバータイトルが発売されたばかりの、私もやりたと思っているコレ↓。たくさんあるタイトルごとに違いを分析してみました。
供給倍率が一番低い=比較的チャンスがあるのはドラクエ10でした。他のナンバータイトルに比べ1桁違うマーケット状態。供給量も多いところでしたが、ゲーム自体がオンラインということもあり需要がとても多くありました。需要数2位の「ドラクエ11」に2倍近くの差をつけてのぶっちぎりです。ドラクエ関連のブログをこれからはじめたい場合「ドラクエ10」がおすすめですね。
逆に供給倍率が高い=比較的チャンスがないのは、「ドラクエ1」・「ドラクエ2」・「ドラクエ12」。これらも逆の意味で1桁違うという状態。供給は桁違いに多い中で、需要は桁違いに少なくなっていました。
「ドラクエ12」!?。先日11が発売されたばからいなのに、もう12の話をしている人達がこんなにるのかとWebページを少しみてみると中身は以前にWii用に販売された「ドラクエ123」でしたwww
4.まとめ
いかがでしたでしょうか。価格の概念がない需要と供給を考え、特にデジタルコンテツにおけるマーケットの比較分析をしてみました。本来はもっと複雑なものですが、量だけの比較という前提とし比較分析してみました。
感覚的に多い少ないではなく、客観的な比較分析ができるように自ら指標を定義してみるのも有効だと思います。この記事でアイディアが膨らんだり生産性向上になり、成長の一助になれたら「いいねっ!」
P.S.
本文中の需要供給曲線のグラフはPowerPointで作成しています。Excelで反比例のグラフを作成する場合、なめらかな曲線となるようにX軸の目盛りを30程度設定し、簡単な二次関数を考えて、セルに式を入…(以下省略)。グラフはExcelでなくても早くできる手段を選ぶのみあると思います。関連記事はこちら
P.P.S.
決してExcelで反比例のグラフを作図できないわけではありません。一応、数学の修士課程を修了しており、またデータサイエンティ… いいわけがましいのでExcelで作ってましたが、やはり同じ時間ではあまりきれいに作れなかった。PowerPointのグラフも「いいね!」