ジタハラという言葉をご存知ですか?時短ハラスメントのことをジタハラというそうです。セクハラ、パラハラ、モラハラ、ジタハラ。最近は何でもハラハラしますね(汗。
早く帰れ、残業禁止、プレミアムフライデーだぞ、など声かけだけで、具体的な対応や教育をしていない圧力のことを意味するのです(そんな上司をよく見かけますよね)。国が働き方改革を打ち出してから約1年経過した今、働き方改革の正しいやり方について考えてみましょう。ジタハラ上司で困っている人必見です。
【特集】「働き方改革」を独り歩きさせない!「働き方改革」の実現に向けて
上司に働き方改革を求めてもムリ!
"ジタハラ上司に悩む人必見"といっておきながら、いきなり衝撃的なタイトルですが、これが現実です。働き方の改革をできる上司であれば「早く帰れ」や「残業するな」という言葉は絶対で出てきません。みなさんも分かっている通り、残って仕事しているのは、上司のあなたの指示をやっているわけですから、残念っ!!。
業務量調整をすべき立場の人間が、早く帰れという発言をすることは職務放棄そのものです。改革できる上司なら、いまの働き方にそもそもなっていないでしょう。働き方を改革できないから、今の環境になってしまっているのです。例えるなら、
私にもサンタクロースがきてiPhoneXをくれないかな・・・iPhoneX販売したって騒いでるのに、何んでサンタクロースは持ってこないんだろう・・・
といっているのと同じですwww存在しない人に夢を見て、自分の希望を叶えてくれることを待っているのです。
ジタハラ上司から働き方改革の根本的な指導や教育、環境づくりを期待することは今日で終わりです。働き方改革は上司に求めるのではなく、自分で実現しましょう。
「早く帰れ」の声かけだけが先行する理由
前回の特集記事で、働き方改革は国が主導していることを紹介しました(働き方改革を国が主導している理由は?)。 内閣総理大臣の私的諮問機関「働き方改革実現会議」が2016年9月より、責任者と有識者を集めて全10回にわたる会議を実施し、その中で具体的な実行計画についていくつか言及しています。
その内容を噛み砕くとポイントは「生産性向上」と「労働環境の是正」の2つになります。事例として挙げられているものを紹介すると、
生産性向上
・ロボティクス
・人口知能(AI)などの活用
・ビッグデータの活用
・デジタル活用
・外国人財の受け入れ
労働環境の是正
・長時間労働の是正
・非正社員と正社員の格差改善(同一労働同一賃金原則)
・子育てや介護など家庭と仕事の両立
・高齢者の就職促進
・テレワーク、副業・兼業など柔軟な勤務体系
この2つのポイントのうち、特に法令や制度など国でないと対応できないものが「労働環境の是正」です。非正社員と正社員の格差や、ハローワークを始めとする高齢者就職促進などは企業で対応できるものではありません。非正社員と正社員の格差改善においては、同一労働同一賃金原則における給与に関する問題だけでなく、雇用形態の違いによる社会保障制度の手入れなども必要となってきます。
国でなければ対応できない取組内容として「労働環境の是正」が先行して取り上げられたため、それを働き方改革の実行策と誤解した企業や管理職も「労働環境の是正」を先行して取り組んでしまったと考えられます。また、某広告代理店の長時間労働などがニュースで取り上げられたことも、「労働環境の是正」が先行した理由のひとつでしょう。
このようにして、残業ゼロ、早く帰れなどの気持ちのこもっていない声かけや、早く帰ったところで何をすればいいかわからないプレミアムフライデーなどが先行してしまっているのでしょう。
「勤務時間削減」は手段ではなく結果
ジタハラ上司に悩んでいる方は十分理解されていると思いますが、労働環境の是正は結果であって手段ではありません。ジタハラ上司にはこのことを十分に理解してもらいたいところですね。
労働環境の是正、つまり労働時間を削減するためには、生産性を上げるか、もしくは仕事の量を減らすか、さらにはそれらを同時に行うかしかありません。もうすこし論理的かつ視覚的に解説してみると次のようなに表すことができます。
成果物=仕事の質(効率)×仕事の量(時間)
成果物というのは会議資料だったり、量産工場での製品だったり、宅配便の配達物だったり、営業活動だったり・・・ここですこし算数をやってみましょう。式を[仕事の量(時間)]イコールにしてみると、次のようになります。
仕事の量(時間)=成果物÷仕事の質(効率)
例えば、資料10ページの成果物を、1時間に2ページの効率でこなすと
仕事の量 =10ページ÷2ページ/時 =5時間
仕事の量を減らすために、成果物を減らせば、
仕事の量 =8ページ÷2ページ/時 =4時間
仕事の質を高められれば、
仕事の量 =10ページ÷4ページ/時 =2.5時間
さらにはその両方ができれば、
仕事の量 =8ページ÷4ページ =2時間
となります。
このように、仕事の量(時間)は結果として簡単に削減することができます。成果物を減らさずに、また仕事の質を上げる指導は教育をせずに、仕事の量を減らそうとするから、ジタハラ(時短ハラスメント)となるのですよね。
ムリもありません。上に挙げたような、成果物=質×量という関係を理解しているようであれば、もともと生産性の高いを仕事が出来ていたり、さらには必要な教育をしていることでしょう。この関係が理解できていない人に限って、生産性向上のやり方もわからず、仕事の量だけ減らす指示を出してくるのです。
成果物を減らすというのは、収益を減らすことに直結しますので、企業としてその選択肢は取れないことが多いでしょう。そうなると答えは一つ、生産性を向上することこそが働き方改革の正しい取組なのです。逆に言えば、働き方改革として様々な取り組みや表現が乱立している部分もありますが、生産性向上だけ取り組めば十分な働き方改革になるのです。
最後に
ここまで書いておいてですが、今回の記事は、上司の愚痴の共感をするのが目的ではありません。
部下を持つ人が、この記事で自分がジタハラ上司かも(どきっ)とはっとしてもらえることを願って作成しました。もし、貴方に部下がいるとすれば、部下には生産性向上の指導や教育を与えるように努めればよいのです。また、ジタハラ上司と認識してるけど、何をやったらいいかわからずやむなくという人の一助にもなってほしいと思っています。
ジタハラ上司にならない声かけのポイントもまとめてみました。ジハタラ上司は是非。◇働き方改革は風土作りから!ジタハラ上司にならない部下への声かけ
P.S. 私はサンタクロースは期待せずに、家庭内閣の財務大臣(妻)へお小遣い改革の実現を試みています。